軽井沢に万平ホテルというホテルがある。
ジョン・レノンが晩年、日本へ来ると滞在したホテルだ。
ある日、ロイヤルミルクティーが飲みたくなったジョンはホテルに尋ねたが、そのような飲み物の存在すら当時の大多数の日本人は知らなかった。
そこでジョンはレシピをホテル側に伝えて、ロイヤルミルクティーを作ってもらった。
現在では万平ホテルへジョンのロイヤルミルクティーを飲みに多くの人が訪れる。
ジョンのレシピ通りの物が飲みたければ、「生クリーム抜きで」と言えばいい。
軽井沢のフランスベーカリー。
ここのバケットはちぎっても粉があまり飛ばない。
軽井沢は湿度が高いので、バケットはもちもちしている。
ハムサンドを作ったら、美味かった。
軽井沢にある『離山房』。
ここで聞いた話。
初めてジョンがここを訪れた時、幼いショーンを抱っこしてタクシーから降りた。
店の中に入ると常連さんが談笑していたが、幼い子供を抱えたジョンを見てビックリしたらしい。
なぜ、ビックリしたのか?
髪も髭も伸ばしっぱなしの余りにも、みすぼらしい格好をした男が幼子を抱っこして立っていたかららしい。
その常連のおじさんは、ジョン・レノンとは気付かず、「お兄ちゃん、相当苦労してんだな?ここへ座れ」と言い、ジョンにコーヒーをおごった。
その話を聞いた僕もビックリした。
知らないって、スゲーな。1番強いと思った。
それから来日する度、時間がある時は『離山房』で過ごした。
世界中、何処へ行っても人を集めてしまう男を静かに過ごさせてくれる数少ない場所。
ジョンが軽井沢を気に入った理由である。